朝鮮の朱子学

 

 高麗時代、鎮護国家の仏教は政治権力と強く結びつきすぎて堕落した。それが原因で次の李氏朝鮮は崇儒排仏の政策をとり、仏教寺院は山奥に追いやられ僧侶は賤民の位に貶められた。

 

 それ以来李氏朝鮮は儒教が国家運営の基盤になった。朝鮮民族が日本人と異なるのは、中華帝国のものなら何がなんでも取り入れたしまったことである。儒教、仏教、道教、漢字、科挙、宦官、独裁政治体制、賤民制度、生活様式、歴史、風俗習慣、文化にいたるまで、一滴の水も漏らさないように模倣してきたのである。

 

 

 李氏朝鮮が北狄と蔑んできた後金(清)から三跪九叩頭という屈辱的な礼を強要されてから、異民族支配の中国で断絶した正統朱子学の伝統を朝鮮こそが受け継ぎ、中華思想の実質的後継者である(小中華)として、中国以上に厳格な儒教(朱子学)の実践国になったのである。今客観的に眺めると、歴史的必然性のように思えるが、このことが現在の韓国、そして未来に向かっても恐らく展望の開けない停滞をつづけていくしかないと思える韓国の不幸の根源であると思う。

 

 

 私はここまでこの研究を進めてきて、韓国が常識では考えられないような不合理で独善的な主張を続けている原因は朱子学にあると結論づけるに至った。そこで儒教・朱子学について概括し、それが韓国に多大な害毒を植え付けてきた事実についてまとめることにした。