韓国反日の根本的原因


大陸の王朝に服属し、事大主義と小中華思想の呪縛から抜け出せず、

朱子学の害毒に骨の髄まで侵された韓国人の反日行動


 2015年12月28日、日本の岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相は、慰安婦問題で合意した。

 

 その内容は、日本が、韓国の「元慰安婦を支援する団体」に10億円を支払う、韓国は、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦像に関して、「日本政府が、大使館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行うなどして、適切に解決されるよう努力する」とし、この問題を最終的かつ不可逆的に解決させる、とするものである。

 

  朴槿恵大韓民国大統領は、「今次外相会談によって慰安婦問題に関し最終合意がなされたことを評価」するとした上で、「新しい韓日関係を築くために互いに努力していきたい」と述べた。

 

  四半世紀にわたって日韓間の政治的課題として横たわり、最近では日韓関係における最大の懸念と位置づけられていた問題が、「最終的かつ不可逆的な解決」で合意したことに、「日韓関係がトンネルから抜け出す光が見えてきた」、と一般的には好意的に受けとめられた。私もこれで不毛な論争がやっとなくなると、能天気にうれしく思った。

 

 その後、ソウル日本大使館前の慰安婦像(少女像)が、一向に撤去されないばかりでなく、合意から1年後の、2016年暮れに釜山の日本総領事館前に新たに少女像が設置されたのである。さらに2017年3月7日に、韓国の労働組合組織が釜山の日本総領事館前に、日本による植民地時代に強制徴用された労働者を象徴する「強制徴用労働者像」を設置しようとしていることが報道された。

 

 私はもともと、韓国に対してよい印象を持っている。漢字や仏教の伝来、さらに百済滅亡後の朝鮮半島からの帰化人による日本文化への貢献を素直に感謝しているからである。しかし最近の日本と韓国の関係を見ていると、韓国の反日が日本の嫌韓を生み、それがまた韓国の反日を促進するといった負の連鎖が拡大し続けているように思える。

 

 世界に200近くもある国のなかで、古代からの交流が一番多く、地理的にも一番近い国がなぜこのような後ろ向きで不毛な争いをし続けているのか、私には理解し難いことである。その疑問を自分なりに解明したいと思うようになった。

 

 私は、朝鮮半島の歴史を学んでみて、今の韓国をかたち作った根本は、1392~1910年に500年続いた李氏朝鮮にあると思い、それについて調べてみた。その結果、儒教の一派である朱子学が朝鮮に甚大な(悪)影響をもたらしたことが分かった。

 

 それとともに、朝鮮半島は有史以来一度も独立国家として成り立ったことがなく、常に中華思想の枠内で大陸王朝に服属するかたちで、生き延びてきたのである。しかも悪いことに、華夷秩序において朝鮮は中華思想を本家の中国よりも着実に体現する偉大な民族であるとする「小中華思想」を、「服属する屈辱」と反比例するかたちで骨の髄までしみ込ませることにより、精神の安定を保ってきたのである。

 

 その小中華思想により、中華から遠く離れた日本は、文明の行き届かない野蛮な国であり、古代において、漢字や仏教をはじめ、様々な技術や文化を教えてきたのだ、という優越感に浸りきってきたのである。

 

 それが、有ろうことかその野蛮国日本に植民地支配されるなどというとんでもない事態が実際に起こってしまった。さらに悪いことに、1945年8月にその憎き日本のくびきから脱したとき、自力で新しい国を作ることができなかった。アメリカやソ連などの大国に翻弄され、結果として民族が分断されて、今日に至っている。

 

 それ以来、韓国人の心の底には、あからさまには口にできない「国家の正統性」という問題が重苦しく沈殿することになってしまった。南北ともに信ぴょう性に疑問はあるものの、北朝鮮の言う「金日成は日本と戦って北朝鮮を作った」という主張に韓国は自信をもって反論することができない。そのため事あるごとに「親北」勢力が台頭し、国内のまとまりを乱している。政府はいつも「民意」なる亡霊に翻弄され、国家間の約束すら実行できないで右往左往している。